事業計画

 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対策による学校の休業措置や不要不急の外出禁止、会議や集会等の自粛など社会全体がこれまで経験したことのない事象に苦慮するなか始まりました。何よりも優先されるべきは人命であり、安全安心の保障です。学校に勤務する私たちは、子どもたちの安全をどのように確保するか、教育、学びをいかに保障していくかという難しい課題に直面しています。
 さらには、オンライン授業や経済的困難な家庭の増加、それに伴う教育予算の確保、教職員の勤務や働き方の変化など社会全体の様式が変わっていくことが考えられます。マネジメントを主たる業務とし、事務をつかさどる職となった私たち事務職員の「仕事」はとても重要になります。子どもたちが元気に、楽しく、安全に学び、生活する環境づくりは変わらぬ課題であるとともに、新たな課題でもあります。一日も早く子どもたちの笑顔と活気あふれる学校に戻れるよう力を合わせていくことが大切だと考えます。
 この多様性の時代にあっても、子どもたちは、様々な価値観の中で学び成長していくことや頻発する自然災害、新たな感染症被害など多くの危険を乗り越えながらも社会を生き抜いていく力を身に付けていかなければなりません。その中で学校は、「安全安心な生活の場」「多様な学びの場」として、子どもたちや保護者、地域社会の「願い」を共に実現していくという重要な役割をこれまで以上に担っていかなければなりません。しかしながら、子どもたちの確かな学力や豊かな心の醸成には課題は多く、相当困難な状況になっています。国や県では学校の働き方改革や業務改善といった環境整備を進めるとともに新学習指導要領の目玉である「カリキュラムマネジメント」の提言を行い、学校だけでなく行政や地域を含めた、社会全体での教育の質の向上のための具体的施策を打ち出しています。
 学校事務、事務職員においてはすでに職務規定の改正や共同学校事務室の法制化がなされ、あとはこれを基軸として、とちぎの学校事務、事務職員がどう変化し、新たな可能性を具体化していくか、新しい時代の学校づくり、教育づくりに参画していかなければなりません。
 栃事研は、元年度に「第2期とちぎ学校事務ビジョン」と実行策「とちぎサクセスプラン」を策定し活動を進めています。また、もう一つの柱である中期研究計画において「第2期とちぎ学校事務ビジョン」を年次別課題としました。この二つの柱に共通するのは身に付け考える時代から「実践」「行動」する時代へ変わっていくことであり、それが様々な改革への「応え」であると考えます。そこで「学びの充実を目指す」としていた元年度までの研究主題から、2年度は研究主題を「学びの充実を図る学校事務」としました。事務職員一人一人が、共同学校事務室を基盤として学校経営に深く参画し、課題解決や改善の担い手となれるよう具体化を進めていきたいと考えます。学校の使命である「学びの充実」を教職員と共にチームの一員として成し遂げていくことや、学校のマネジメント力の推進者として地域とのつながりを深めていく学校事務の展開を更に追求していきたいと思います。


研究主題「子どもの学びの充実を図る学校事務」


 栃事研では、これまで子どもたちの学びの充実に向けて、「子どもたちが自ら学び、成長していく営みを支援する」「学校経営(学びづくり)に参画していく」ことを念頭に置き、研究主題に迫ろうと考えてきました。
 2年度は、事務職員が「つかさどる」職となったことから、その職務や役割・機能を再度検討し、主体的にマネジメントしていく姿を描きつつ、更に教育活動の推進と子どもたちの育ちのために寄与・貢献できる事務職員をイメージしています。子どもたちの「学びの充実を目指す」のは栃事研を構成する組織全体であり、「学びの充実を図る」は共同学校事務室そして事務職員個々が目指すべきテーマになります。そのことは、とちぎの事務職員が一人職から脱却することを意味しています。「学びの充実を図る」のは事務職員が学校現場にて教職員と連携し、目標等共有しながら果たすことになります。共同学校事務室内においてもその質を高めるためにチームを意識した活動、目標設定、評価が重要になります。一人で仕事を進めるのではないことを認識していく必要があります。栃事研では、この研究主題を確実に果たしていくため「共同学校事務室の質の向上」と「事務職員の力量形成」「カリキュラムマネジメントへの参画」を主体として活動を進めていきたいと考えます。
 また、栃事研だけでなく各関係機関や団体、地区・支部との連携を更に進め、相互連携・相互補完・相互支援の関係性をしっかりと構築していきたいと考えます。
 今年度開催される第52回関ブロ栃木大会の提案発表や栃事研研究大会を通して、とちぎの目指す学校経営参画の在り方、新たな学校事務の方向性などを深めていくことでこの研究主題に迫っていきたいと考えます。
 「共同実施の質の向上」については、学校の働き方改革や業務改善を進めるために必要不可欠な存在として期待が寄せられています。共同学校事務室の法制化後、学校にどのような変化がもたらされたのか実態を把握するとともにその役割、機能について研究を深め、提案していくことが重要と考えます。共同学校事務室は法令で定められた組織そのものを意味します。組織の質の高まりで個の向上を図ることができます。そのことをしっかりと踏まえ、事務長を中心とした責任ある組織体制を構築し、しっかりと機能していけるよう、全国・県内の情報の共有化、実態の周知・情報提供など積極的に行うとともにリーダー、フォロワーの育成など推進していきたいと思います。同時に、関係規則や標準職務、運営規定への位置付けなど条件整備も関係機関・団体等との連携により進めていきたいと思います。
 「事務職員の力量形成」では、今後一層必要となる知識・スキル・経験値を高めるため「政策形成系」「マネジメント系」「コミュニケーション系」「実務能力系」など課題解決に不可欠な力量を身に付けていけるよう研修プログラムの活用や研修内容の充実に努めていきます。それには「研修の体系化」を見直し、実態や現状に合った形・内容に変えていくことや地区支部と栃事研の役割の明確化が必要になると考えます。研修は、身に付けた力量が学校現場に還元し、活かされて初めて成果になります。そこではまさに実践力が求められます。仕組みと内容で育てるとちぎの研修の一層の充実を図り経営参画を果たす事務職員の育成を進めていきたいと思います。
 「カリキュラムマネジメントへの参画」では、とちぎの学校事務を実現するには事務職員の経営参画は不可欠になります。その学校経営がカリキュラムマネジメントと重なりつつあるなか、これまで以上に大きなマネジメントが働くことになります。この新しい時代の学校事務の可能性を現実のものとするため、現在、研究部により学校経営ビジョンの「実現」と「策定」の二つの方向から「具体化」「実践化」の研究を進めています。
 2年度は関ブロ大会の主管と「第2期学校事務ビジョン」の実践という大きな節目の年になります。
 各支部との連携を一層強めながら、とちぎの学校事務を歴史ある組織を次世代へつないでいけるよう努めていきたいと思います。また、栃事研は全事務職員で構成する唯一の研究団体です。その使命をしっかりと果していくため活動を進めていきます。組織としてのバランス感覚をもち、会員に身近な組織として在り続けたいと思います。

活動目標

① 子どもの学びづくりに参画する学校事務、事務職員の在り方について追求する。
② 「第2期とちぎ学校事務ビジョン」及び「サクセスプラン」の周知、理解、浸透を図る。
③ 「研修の体系化」に基づき、研修カリキュラムを活用したキャリア形成、力量形成を図り、事  務職員の一層の資質能力向上に努める。
④ 事務長制の重要性を踏まえ、学校事務職員制度の充実・発展に向け、学校事務の未来像を追究する。
⑤ 各支部、各関係諸機関・団体等とのより一層の連携を深め、学校事務及び事務職員の課題解決を目指す。
⑥ 栃事研の行う全ての事業を通して、学校事務の質、共同実施の質の向上を図り、教育の質の向上に寄与、貢献する